戦争映画ではあるが戦死者は一人も出てこず、また巧みに自身の反戦思想を取り入れている「チャップリンの流儀による戦争映画」である。
1918年公開のサイレント映画。ファースト・ナショナルによる製作で、主演・脚本・製作および監督はチャールズ・チャップリン。チャップリンの映画出演66作目にあたる。
担へ銃 (1918) : Shoulder Armsのあらすじ
チャーリーは新兵教練でぎこちない動きを繰り返して練兵係軍曹に叱られっぱなし。教練が終わると、疲れたチャーリーは早速テントの中の寝台に飛び乗って眠りにつく。
西部戦線に出征したチャーリーは、砲弾や狙撃弾が飛び交い、雨が降れば水がプールのように溜まる塹壕内の生活で戦友(シドニー)らとともに苦楽を共にする。ある時は故郷から届いたリンバーガーチーズをドイツ側の塹壕に投げ込んで恐慌に陥らせ、またある時は敵陣への突撃の際にたった一人で13人のドイツ将兵を「包囲して」捕虜とした。やがてチャーリーは戦友とともに危険な斥候任務に志願して、敵の勢力地域内へ潜入する。戦友は運悪くドイツ兵に見つかって銃殺されそうになるが、木に化けていたチャーリーが助けに入ってドイツ兵を翻弄する。ドイツ兵の追跡を逃れるさ中、チャーリーは荒廃した自宅にたたずむフランス娘(パーヴァイアンス)を助けて一緒に一軒の家屋に逃げ込む。そこに戦線視察中のドイツ皇帝(シドニー[二役])一行が到着。チャーリーは助けたフランス娘や、再び捕まって連行されてきた戦友と謀ってドイツ兵に化け、ドイツ皇帝一行をそっくり捕虜として味方の根拠地に連行、味方に大いに賞賛された。
しかし、西部戦線での出来事はすべてチャーリーが見た夢であり、チャーリーは戦友たちにたたき起こされて目を覚ますのであった。
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